住栄ジャーナル

JUEI JOURNAL

  • 2024.10.01

不動産の査定は匿名でできる?一括査定との違いやメリット・デメリットを解説

不動産の査定は匿名でもできます。ただし、不動産会社に一括査定を依頼した場合よりも、査定の精度は落ちてしまうのが難点です。

この記事では、不動産査定を匿名で行う方法や一括査定との違い、メリット・デメリットなどについて解説します。まずは匿名で簡易的に査定を依頼してみたい方は、ぜひ最後まで読んで売却活動につなげてください。

不動産の査定は匿名でできる?

不動産の査定は匿名でできます。査定には通常査定と匿名査定があり、匿名査定は個人情報の登録が不要です。また、オンライン上で気軽に依頼できるのが特徴。

一方で、不動産会社が現地の状況を把握したうえで査定するのと違い、あくまで簡易的な概算である点には注意が必要です。

不動産の匿名査定の方法2つ

不動産の匿名査定は、AIによる査定シミュレーションと不動産会社による査定に分けられます。

AIによる査定シミュレーション

査定シミュレーションとは、企業が独自開発したAIが過去の取引事例に基づいて、不動産の査定価格を算出してくれるツールのことです。個人情報の入力は不要で、数十秒で査定価格の概算が自動で表示されます。なかには現時点における価格だけでなく、価格の推移をグラフで表示してくれるものも。

迅速で手軽に利用できるのが利点ですが、実際の取引価格とは差異が生じる場合があります。

不動産会社による査定

匿名査定には、フォームに入力された情報をもとに不動産会社が査定を行う方法もあります。所在地や面積、構造などの詳細情報を考慮し、担当者の不動産知識も交えて人の手で査定額が算出される仕組みです。

査定には2日ほどかかりますが、AI査定よりも正確な価格が期待できます。

不動産の匿名査定と一括査定の違いは?

不動産の匿名査定と一括査定には、以下のような違いがあります。

匿名査定 一括査定
特徴 ・個人情報の開示が不要
・オンライン上で、AIや不動産会社に
機械的に査定してもらう
・スピーディーにおおまかな査定額を
知れる
・個人情報の開示が必要
・複数の不動産会社に同時に
査定を依頼する
・売却時には電話や対面で
細かい説明が受けられる
おすすめな人 ・時期は未定だが売却に関心がある人
・売却をするか迷っている人
・簡単に見積もりを知りたい人
・売却を検討している人
・複数社を比較検討したい人
・査定額の相場を把握したい人

匿名査定と一括査定の大きな違いは、個人情報を提供するかどうかです。

不動産会社とやり取りすることは考えていないものの、売却に興味がある人は匿名査定がおすすめ。一方で、不動産売却を本格的に検討しており、複数社を比較したい場合は一括査定を利用しましょう。

不動産の匿名査定の手順

匿名査定の手順は次の3つです。

(1)査定を依頼したい物件の情報を入力

主に以下の項目をフォームに入力します。

  • ・住所
  • ・建物名
  • ・築年数
  • ・専有面積
  • ・間取り
  • ・階数
  • ・方角

(2)査定額の結果を受け取る

登録したメールアドレスに査定結果が送られてくるため、内容を確認しましょう。結果は早くて30分〜1時間、遅くても3日程度で届きます。

(3)不動産会社に問い合わせる

査定額を確認後、必要に応じて不動産会社に連絡します。詳細を知りたい場合は、このタイミングで名前や連絡先などの個人情報を伝え、直接担当者とのやり取りが必要です。訪問査定を依頼したり、一括査定サイトを利用したりするのもよいでしょう。

不動産の匿名査定のメリット3つ

不動産の匿名査定のメリットには、個人情報の提供が不要であることや短時間で査定結果がわかること、しつこい営業電話を回避できることが挙げられます。

1.個人情報を提供

匿名査定では個人情報を入力することなく、査定結果を確認できます。査定に必要なのは物件情報と、査定結果を受け取るためのメールアドレスのみです。メールアドレスは査定結果を自動送信するために使われる情報であり、不動産会社に渡ることはありません。そのため、個人情報の流出を防ぎながら査定額を把握できます。

2.査定額が短時間でわかる

短時間で査定結果を知れることも、匿名査定のメリットの一つです。訪問査定の場合、結果を受け取るまでに1週間程度かかってしまうことも。一方、匿名査定は不動産会社を通す査定なら当日〜3日程度、AI査定なら数分〜数時間で結果がわかります。

すぐに査定額を算出してもらえるため、匿名査定は少しでも早く結果を知りたい人に適しています。

3.しつこい営業電話がかかってこない

匿名査定では、営業電話がかかってくる心配がありません。査定に必要な個人情報は先述のとおりメールアドレスのみで、電話番号は伝えないからです。本格的に売却を検討していない人や営業電話が苦手な人にとって、電話がかかってこないことはメリットといえるでしょう。

一方、通常の査定では、物件情報のほかに電話番号を含む個人情報の入力が必要です。訪問査定の日程調整などで担当者とのやり取りが発生したり、営業電話がかかってきたりする場合があります。

不動産の匿名査定のデメリット3つ

不動産の匿名査定にはデメリットもあります。査定結果の精度が高くないことや売却予定の人には向いていないこと、戸建ての査定には適していないことです。

1.査定結果の精度が不十分である

匿名査定は精度が不十分であり、正確な査定価格の把握はできません。蓄積されたデータをもとに算出しているため、眺望や日当たり、耐震設備やリフォーム状況など具体的な物件情報を反映しにくいためです。

例えば、土地面積と建物の延床面積が同じ物件が2つあり、一方は日当たり・眺望良好でもう一方はそうでないとします。匿名査定はあくまで数字をもとに概算するため、この場合でも同じ査定額が表示される可能性があるでしょう。

おおよその査定額は把握できますが、正確性には欠ける点に注意が必要です。

2.売却予定の人には向かない

匿名査定は売却を決めている人には向いていません。個人情報を提供しないため不動産会社から連絡はなく、査定を依頼しただけでは売却の手続きに進めないからです。売却活動を本格的に開始したい場合は、改めて不動産会社に連絡しなければならず、二度手間になってしまいます。

売却予定の人は、最初から机上査定や訪問査定を依頼しましょう。

3.戸建ての査定には適していない

匿名査定は戸建ての査定には適していません。戸建ては面積や間取り、施工会社など物件ごとに要素が異なります。そのため、データをもとに査定額を導き出す匿名査定では、正確な査定額を算出するのが困難です。場合によっては、実際の価格と2〜3割差が生じるケースも。

戸建ての売却を検討している場合は、実際の建物の状況を見てもらえる訪問査定が適しています。

不動産の匿名査定を利用する際の注意点2つ

不動産会社の匿名査定を利用する際は、サービスによって価格に差が生じること、売却時には不動産会社へ査定を依頼することを念頭に置いておく必要があります。

サービスによって価格の違いが生じる

匿名査定はデータに基づいた機械的な査定です。データが少ない地域の不動産の場合、データが豊富な地域と比べて査定の精度は低下してしまいます。査定額は鵜呑みにせず、目安として捉えることが大切です。

売却時には不動産会社へ査定を依頼する

売却を決めた場合、最終的には不動産会社に査定を依頼する必要があります。匿名査定ではデータに基づいたおおよその査定額しか算出できません。不動産会社に現地調査に行ってもらうことで、立地や建物の状態を考慮したより正確な査定額を出してもらえます。

不動産の匿名査定を利用して売却価格の目安を知ろう

不動産の査定は匿名でも依頼でき、売却価格の目安を短時間で簡易的に把握できるのがメリットです。ただし、査定の精度は不十分であり、本格的な売却活動を検討している人には向いていません。

売却をお考えの方は、一括査定の利用や不動産会社への相談をおすすめします。不動産に関するご相談は、ぜひ売却に強い住栄都市サービスまでご連絡ください。

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監修
佐々木総合法律事務所/弁護士
佐々木 秀一 弁護士

1973年法政大学法学部法律学科卒業後、1977年に司法試験合格。1980年に最高裁判所司法研修所を終了後、弁護士登録をする。不動産取引法等の契約法や、交通事故等の損害賠償法を中心に活動。「契約書式実務全書」を始めとする、著書も多数出版。現在は「ステップ バイ ステップ」のポリシーのもと、依頼案件を誠実に対応し、依頼者の利益を守っている。