- 2024.08.15
不動産一括査定でよくあるトラブルとは|対処法を知ってリスクを回避しよう
不動産の売却をする時に便利な不動産一括査定サービス。複数の不動産会社にまとめて査定を依頼できて効率的な反面、トラブルが多いともいわれています。
この記事では、不動産一括査定でよくあるトラブルについて紹介します。不動産一括査定のメリット・デメリットとトラブルを避ける対策についてもチェックしてください。
目次
不動産一括査定の仕組み
最初に、不動産一括査定とはどのようなサービスなのか、仕組みについて解説します。
売主と不動産会社をマッチさせる
不動産一括査定は、不動産を売りたい人と主に仲介したい不動産会社をマッチングさせるサービスです。仲介業者は物件を預かることで、仲介手数料を得られます。
通常、不動産を売りたい場合は1社ずつに査定依頼をしますが、一括査定サービスを使うと複数の不動産会社にまとめて査定依頼が可能になります。
物件の所在地にもよりますが、平均6〜10社ほどに一度に査定依頼が可能です。
サービスを利用したからといって、必ずしも売却をしなければならないわけではないため気軽に利用できるでしょう。
ほとんどの不動産一括査定は無料で利用できる
不動産一括査定サイトは無料で利用できることがほとんどです。無料で使える理由は、不動産会社にとって査定は営業活動の一環であるからです。
不動産会社の利益は、売主から依頼を受けて不動産を売却する時の仲介手数料です。査定は、いくらで不動産を売却できるか売り手へアピールするのに役立ちます。また、査定サービスを通じて売主と接点を持てる機会にもなります。
不動産一括査定利用の流れは簡単
不動産一括査定を利用する流れは簡単で、特に準備は必要ありません。手順は下記の通り。
1.一括査定サイトを探す
2.所在地や間取り、築年数などの不動産情報と個人情報を入力する
3.査定結果を確認する
査定結果は、数時間から1日程度でわかることがほとんどです。ただし、現地を訪問して査定するわけではないので結果の精度は高くない点に注意しましょう。
不動産一括査定でよくあるトラブル
無料で気軽に利用できる不動産一括査定ですが、手軽であるがゆえ試しにやってみたら、トラブルが起こってしまったということも。不動産一括査定でよくあるトラブルを紹介します。
不動産会社からの営業電話がしつこい
不動産一括査定を依頼することで、不動産会社からの営業電話がしつこくかかってくることがあります。
無料査定を依頼する場合は、物件情報だけでなく連絡先や名前など個人情報も入力するのが一般的です。これは、査定サービスは不動産会社が売主と繋がるための営業活動手段でもあるからです。
中には営業熱心すぎて、常識を超えるほど繰り返し電話をかける不動産会社もあり、電話対応がストレスに感じる場合もあるようです。
不動産一括査定では複数の不動産会社に査定を依頼するので、依頼した会社の数だけ電話連絡がくると心構えをしておきましょう。
根拠なく相場より高い査定額を提示される
不動産会社の中には、売主と契約を取るために根拠なく相場より高い査定額を示すところもあります。
高い査定結果を出して売主を引きつけて契約した結果、その金額では売れずに売却が長引くリスクがあります。その場合、結局価格を下げなければならなくなり、不利な価格で売却する羽目になるかもしれません。
さらに相場より高く提示された査定額をもとに買い替えを検討すると、資金が確保できず住宅ローンが組めないなどのトラブルになるリスクも。
相場よりも極端に高い査定額を提示された場合は、誠実な不動産会社ではない可能性が考えられるため契約しない方が良いといえます。
査定額の精度が低い
無料査定は簡易的で、あくまで不動産会社の売却予想額であるため、査定額の精度は低いのが現状です。
場合によっては実際の市場価格と大きく異なる査定額が提示されることもあります。必ずしも査定額の価格で不動産が売れる保証はないので、結果的に値下げが必要になることも。
反対に、査定額より本来なら高く売れた場合もあり得ます。査定額はうのみにせず、相場を自分でも見極める力が必要です。
地方の物件の場合に査定依頼ができない
地方の場合、不動産一括査定を申し込んでも査定依頼できないことがあります。
不動産一括査定サイトに登録しているのは大手の不動産会社なので、地方の不動産には対応していないこともあるためです。人口が少ない地方都市や過疎地域や地価が低い地域の不動産を売却する時は、その地域に対応している不動産会社を探して査定依頼するのが良いでしょう。
住宅用以外の特殊な物件を売る際も同様です。
不動産一括査定のメリット
不動産一括査定は想定し得るトラブルを理解した上で活用すれば、多くのメリットを享受できます。
効率良く不動産査定ができる
一括査定を利用すれば一度に複数の不動産会社に査定を依頼できるため、効率的に不動産の売却が可能です。
不動産の査定には、物件の面積や築年数、間取りなどさまざまな情報を不動産会社に提示する必要があります。同じ情報を複数の不動産会社に提示するのは手間ですが、一括査定なら一度の情報入力で複数社に査定依頼を出せて手間が減らせます。
不動産の適正相場を把握しやすい
不動産査定を一括で申し込むと複数の不動産会社から査定額が提示されるため、査定額の相場が把握しやすいメリットがあります。
1社だけに査定依頼すると、その査定額が適正であるかどうかは判断が難しいでしょう。適性相場を把握できれば価格設定の目安になります。
不動産一括査定のデメリット
不動産一括査定にはメリットがある一方で、デメリットも知っておく必要があります。不動産一括査定のデメリットを解説します。
個人情報を開示する必要がある
不動産一括査定を申し込むには、物件の情報はもちろん、名前や住所電話番号などの個人情報の入力が必要になります。
査定依頼後は不動産会社から営業電話がかかってくるため、もし電話がストレスになるなら査定依頼時に備考欄にメールでの連絡を希望する、通話可能な時間帯を入力するなどの対策を取っておくのが賢明です。
加えて、セキュリティや個人情報保護に関して明記している不動産一括査定サイトを利用することも大切です。
悪質な不動産会社とつながる可能性がある
残念ながら一括査定サービスに登録している不動産会社の中には、根拠なく高い査定額を故意に提示して契約を取ろうとする悪徳な不動産会社もいます。
悪徳な不動産会社を利用してしまうと適切な価格での売却が難しくなったり、売却までに時間がかかったりしてしまいます。査定結果が出たら、査定額の算出に対して信頼できる根拠があるかどうか必ず確認しましょう。
不動産一括査定でトラブルを避けるための対処法
不動産一括査定の利用を検討するなら、トラブルを避ける対処法を知っておくと安心です。査定依頼前に行っておきたい対処法を紹介します。
不動産の売却相場は自分でも調べておく
査定依頼前には、必ず自分でも売却相場を調べておきましょう。レインズマーケットインフォメーションや土地総合情報システムで、過去に実際に売買された取引価格の調査が可能です。
査定が出たら相場と比較して、明らかに相場より高い査定価格を提示している不動産会社との契約は控えます。物件検索サイトで販売中の物件の価格も確認しておくとより安心です。
口コミサイトやブログなどで不動産会社の評判を確認する
査定依頼をする不動産会社は、口コミや評判を調べることをおすすめします。この時、ポジティブな意見だけでなくネガティブな意見も見ることが大切。
5年分の行政処分の情報が見られる国土交通省ネガティブ情報等検索サイトが活用可能です。あわせて売却件数や相談件数など実績も確認しておくと良いでしょう。
不動産売却を検討しているなら、不動産売却の実績豊富な住栄都市サービスをご検討ください。
トラブルの回避方法を知って不動産一括査定を賢く利用しよう
不動産一括査定は便利な反面、トラブルも多いシステムです。トラブルを避けるための対処法を知っておくと、安心して便利に活用できます。不動産一括査定を上手に活用して、有利な価格で不動産売却を行いましょう。
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1973年法政大学法学部法律学科卒業後、1977年に司法試験合格。1980年に最高裁判所司法研修所を終了後、弁護士登録をする。不動産取引法等の契約法や、交通事故等の損害賠償法を中心に活動。「契約書式実務全書」を始めとする、著書も多数出版。現在は「ステップ バイ ステップ」のポリシーのもと、依頼案件を誠実に対応し、依頼者の利益を守っている。