住栄ジャーナル

JUEI JOURNAL

  • 2024.09.10

マンションの売却相場|調べ方や高く売却するコツも解説【エリア・築年数別】

マンションを売却する際には、事前に売却価格の相場を把握しておくことが大切です。加えて、売却に適したタイミングやコツを押さえておけば、より高く売却できる可能性も。

この記事では、エリア別・築年数別のマンションの売却相場とその調べ方、高く売却するためのコツを解説します。

マンションの売却相場は上昇傾向にある

国土交通省による不動産価格指数(令和6年3月・令和6年第1四半期分)によると、マンションの価格は年々上昇傾向にあります。2013年頃から価格の上昇が続いており、2023年までの10年間で約1.7倍になりました。マンションの価格は2024年3月時点においても上昇しており、依然として売り時の傾向が続いています。

マンションの売却相場【エリア別・築年数別】

マンションの売却相場は、エリア別で見ると都心部ほど高くなっています。特に東京都の価格は近郊の地域と比較しても約2倍ほど高い傾向です。

一方、築年数別に見ると、築浅物件ほど売却相場は高くなります。

エリア別の売却相場

東日本不動産流通機構月例マーケットウォッチ(2024年6月度)によると、2024年6月時点におけるエリアごとのマンションの売却相場は以下のとおりです。

地域 マンションの売却相場
東京都 6,156万円
神奈川県 4,016万円
千葉県 2,899万円
埼玉県 2,852万円
愛知県 2,378万円
大阪府 3,236万円
福岡県 2,534万円
北海道 2,266万円

売却価格は都市部が高い傾向にあり、なかでも東京都は首都圏の他の都市と比較し2倍ほど高くなっています。

築年数別の売却相場

東日本不動産流通機構の首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2024年4月〜6月】によると、首都圏における築年数別のマンションの売却相場は以下のとおりです。

東京都 千葉県 埼玉県
〜築5年 9,940万円 5,327万円 5,604万円
〜築10年 8,472万円 4,694万円 4,688万円
〜築15年 7,797万円 4,482万円 4,518万円
〜築20年 6,973万円 3,862万円 3,594万円
〜築25年 6,217万円 3,741万円 3,787万円
〜築30年 5,246万円 2,376万円 2,722万円

築5年以内は築浅物件として人気が高いため、売却相場も高い傾向にあります。ただし、築浅物件は1年ごとに価格が大幅に下落しやすいのが難点です。

一方、築25年を超えると建物の価値は低くなります。リフォームやリノベーションを行うことで、買い手が見つかりやすくなるでしょう。

マンションの売却に適した3つのタイミング

マンションの売却は、譲渡所得の税率が軽減される所有期間5年を超えたタイミングや、大規模修繕を行ったあとがおすすめ。また、新築マンション価格が高騰している時期を狙うのも一つです。

譲渡所得の税率が軽減されるとき

不動産の所有期間が5年を経過すると、税率が抑えられるため売却に適しています。

不動産を売却すると所得税と住民税が発生し、併せて譲渡所得といいます。下記の表のように、所有期間が5年を超えると税率はおよそ半減。税負担を抑えられることから、売却すべきタイミングの一つといえます。

所有期間 所得税 住民税
長期譲渡所得 5年超 15% 5%
短期譲渡所得 5年以内 30% 9%

大規模修繕を行なったあと

大規模修繕後は、買い手へのPRになるため売却に適しています。外壁塗装の塗り替えによって建物の見た目が向上したり、エレベーターの入れ替えによって生活の快適さが増したりするためです。

また、大規模修繕後10〜15年は、日常生活で工事による制限を受けにくい点もポイントです。

新築マンションの価格が高騰しているとき

新築マンションの価格が高騰傾向にあると、中古マンション市場の需要が高まり、中古マンションの価格が上昇します。新築の購入を渋る買い手が中古を検討するようになるためです。

中古マンションの価格は新築マンションに比例しているため、売却は新築マンションの価格が上昇している時期を狙いましょう。

マンションの売却相場を調べる方法3つ

マンションの売却相場は、不動産情報ライブラリ、レインズ・マーケット・インフォメーション、各不動産会社のサイトで調べられます。

1.不動産情報ライブラリ

不動産情報ライブラリは、国土交通省が運営する不動産情報サイトです。実際の不動産取引事例によるアンケート結果がまとめられています。不動産価格や都市計画情報、防災情報などを幅広く検索でき、地図から検索することも可能です。

2.レインズ・マーケット・インフォメーション

レインズ・マーケット・インフォメーションは、不動産流通機構が運営する不動産取引情報サイトです。実際の成約価格に基づいたこれまでの取引状況がわかります。

最寄駅からの距離や間取り、築年数など細かい条件を指定することも可能。売却したいマンションと似た条件の相場価格を検索しやすいのが特徴です。

3.各不動産会社のサイト

マンションの売却価格は、各不動産会社が運営するサイトでも確認できます。不動産会社のサイトでは、現在売りに出されているマンションの価格がわかります。売却したいマンションに近い条件で絞り込み、検索してみましょう。

マンションの売却相場を確認したあとにすること2つ

マンションの売却相場を確認したら、不動産会社に査定を依頼し、媒介契約を結びましょう。

一般的なマンション売却の流れは以下のとおりです。

1.マンションの売却相場を調べる
2.必要書類を用意する
3.不動産会社に査定を依頼する
4.媒介契約を締結する
5.マンションを売りに出して売却活動を行う
6.購入希望者と売買契約を締結する
7.マンションを引き渡す
8.確定申告をして納税する

1.不動産会社に査定を依頼する

査定の依頼方法は以下の4つです。算出された査定額をもとに、売り出し価格を決定します。

机上査定:公示価格や市場などのデータに基づいて算出する

訪問査定:担当者が現地に出向き、物件の状態等を確認する

不動産鑑定士による査定:鑑定士が「不動産鑑定評価基準」をもとに行う

AI査定:過去の取引事例からAIが算出する

2.媒介契約を結ぶ

依頼する不動産会社が決まったら、媒介契約を結びます。契約方法は以下の3つです。

一般媒介契約:依頼先、取引方法、契約期間に制限がない、自由度の高い契約方法

専任媒介契約:売却活動を1社に任せる契約方法で、契約期間は最長3ヶ月。活動状況を2週間に1回報告する。

専属専任媒介契約:売却活動を1社に任せる契約方法。活動状況を1週間に1回報告する。

なお、一般媒介契約についてはこちらの記事をご確認ください。
「一般媒介契約」とは?家を安く購入するために知っておきたい販売形態

マンションを高く売却するコツ4つ

マンションを高く売却するなら、複数の不動産会社を比較し、ゆとりを持ったスケジュールを組むことが大切。また、内覧準備を怠らず、売り出し価格を高めに設定することも有効です。

1.複数の不動産会社に査定を依頼する

査定は複数の不動産会社に依頼しましょう。査定額は各不動産会社の独自の基準に基づいて算出されるため、会社によって差が生じます。

複数社を比較することで、適正な価格を把握できます。また、より誠実な担当者の見極めにもつながるでしょう。

2.ゆとりを持ったスケジュールにする

マンションの売却は余裕を持ってスケジュールを組むことが大切です。成約までには3ヶ月から半年以上かかるケースもあります。焦って短期間で売却しようとすると、希望に反した低価格で不動産を手放してしまう「売り急ぎ」をしてしまうことも。売却を検討している場合は、早めに準備を進めるのが吉です。

3.内覧準備を徹底する

成約につなげるためには、内覧準備にも力を入れましょう。内覧前に部屋の掃除や臭い対策などを行うと清潔感を印象付けられます。

実際に内覧が始まったら部屋を明るくし、購入希望者がゆっくり内覧できる環境づくりを心がけることも大切です。

4.売り出し価格を相場よりも高くする

マンションの売り出し価格は、相場よりも高く設定するとよいでしょう。具体的には、相場より1割程度高くするのがおすすめ。相場を下回る金額での売却を回避できます。

売り出し価格を高くしすぎても、成約につながらず最終的に値下げを強いられる可能性があります。適正な価格になるよう、不動産会社に相談してみましょう。

マンションの相場を把握し、売却活動に踏み出そう

マンションの売却相場は、首都圏を中心に高い傾向にあります。相場を把握したら複数の業者を比較し、余裕を持って売却活動を進めましょう。

なお、マンションは仲介による売却だけでなく、不動産会社に買取を依頼するのもおすすめです。不動産買取に強い住栄都市サービスがご相談を承ります。お気軽にご連絡くださいね。

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監修
佐々木総合法律事務所/弁護士
佐々木 秀一 弁護士

1973年法政大学法学部法律学科卒業後、1977年に司法試験合格。1980年に最高裁判所司法研修所を終了後、弁護士登録をする。不動産取引法等の契約法や、交通事故等の損害賠償法を中心に活動。「契約書式実務全書」を始めとする、著書も多数出版。現在は「ステップ バイ ステップ」のポリシーのもと、依頼案件を誠実に対応し、依頼者の利益を守っている。